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以外の転職者の大きな違いと考えられる。

 

(2) 転職者の最長職種
以上の転職者の職業能力を、ここでは最長経験職種という切り口から分析してみよう。図表4-18をみると、最長経験職種はかなりばらつきのあることがわかる。なかでも、10%以上の高い比率の職種は、営業・販売(15.4%)、設計(14.8%)、情報処理・情報システム(12.4%)、研究開発(12.4%)、経理・財務(10.1%)などであり、営業系、技術系が高く、事務では、経理・財務といった比較的専門性が高い職種を除いて低いことがわかった。転職に役立つ職業能力は営業力、技術力、事務系では経理や財務の能力であることがこの結果からある程度わかる。

 

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なお図示しないが、最長職種を現在の勤務先の規模別にみると、前述の経験職種の分布とほぼ同じ傾向が現れていた。つまり、300人以上では研究・開発や設計といった技術系の職種の比率が高かった。
さて、最も長い経験職種とUターン経験の有無との関係をとらえてみると、(図表4-19)Uターン者の方が比率が高い職種には、前述の「これまで経験した職種」とほぼ同じ傾向がみられ、情報処理・情報システム、設計、研究開発など技術系の職種が多いことがわかった。地域内での転職者と、Uターン転職者の大きな職業経歴の違いと言えよう。こうした背景には、Uターン者が地元に戻る条件として、賃金の大幅な変動のない、比較的良好な雇用の機会である大企業の技術系の職種を選択し、また地方の大企業では中央の技術系の知識を持った転職者を歓迎している

 

 

 

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